歯に関する基礎知識
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歯の構造
エナメル質
表面の最も硬い部分です。
象牙質
硬い組織ですが、パイプのような細い管が集まってできています。歯を削ると痛みを感じるのは刺激がこの管を通して神経に伝わるためです。
歯肉
歯茎(はぐき)と呼ばれるところ。歯を支えている歯槽骨を覆って保護する役目を果たしています。
歯槽骨(しそうこつ)
歯を支える顎の骨。歯周病が進行すると、この歯槽骨が溶け始め、やがて歯を支えられなくなります。
歯髄(しずい)
歯の神経と呼ばれえているところ。血管、リンパ管、神経線維などがあり、歯に栄養を与えています。
根管(こんかん)
歯根内に歯髄が入っている管。
根尖孔(こんせんこう)
歯根の先端にある孔から神経や血管が出ています。
セメント質
歯根部を覆っていて、歯槽骨とくっつく役目をしています。
歯根膜(しこんまく)
歯根と歯槽骨の間にある弾力性のある薄い膜のことで、それぞれをつなぐ役目をしています。また、セメント質に栄養を補給しています。
歯の名称と歯根
一般的な歯数や根管数(歯根内に神経が入っている管の数)で、実際には個人差があります。
大人の歯(永久歯)の名称と歯根
上顎
下顎
1:中切歯
2:側切歯
3:犬歯
4:第一小臼歯
5:第二小臼歯
6:第一大臼歯
7:第二大臼歯
8:第三大臼歯(智歯、親知らず)
画像にマウスを合わせると、それぞれの歯の根管の数を表示します。
子どもの歯(乳歯)の名称と歯根
上顎
下顎
1:乳中切歯
2:乳側切歯
3:乳犬歯
4:第一乳臼歯
5:第二乳臼歯
画像にマウスを合わせると、それぞれの歯の根管を表示します。
歯式について
カルテやレセプト(診療報酬明細書)では歯の位置を番号で表します。 永久歯は数字、乳歯はアルファベットを使用し、上下左右を区分して表現します。これを歯式といいます。
(※患者さんの口を医師から見た状態を表すため、左右は反対になります。)
永久歯
乳歯
親知らずについて
親知らずとは
親知らずとは、正式には第三大臼歯(=智歯)のことをいいます。
第三大臼歯は、以下のような理由から、生えてこないこともあります。
- 顎の中に存在するが生えてこない場合
- 生まれつき親知らずがない場合
また、生えてくる時期にも個人差があり、早い人では十代後半、遅い人では二十台後半に生えてきます。
親知らずが引き起こすトラブル
食生活の変化などにより、現代の日本人の顎は親知らずが生えるには十分な大きさではありません。
そのため、親知らずが変な方向に生えてしまったり、完全に生えないということが起こります。
親知らずの生え方によっては不衛生になったり、周りの歯に悪影響を及ぼしたりすることがあるため、次のようなトラブルが起きやすくなります。
親知らずが虫歯になる
親知らずの前の歯が虫歯や歯周病になる
前の歯が押されて歯並びが悪くなる
腫れて痛む
親知らずは抜いた方がいい?
正常に噛み合っていて、日常生活に何の問題もない場合は抜く必要はありません。
しかし、親知らずの存在により、痛みや腫れなどのトラブルを起こしているような場合には、親知らずを抜いてその他の正常な歯の健康維持を心掛けた方が良い場合があります。
親知らずの抜歯については、歯科医師と十分に相談してください。